【肥糧、土壌】, 米ぬかボカシ肥糧を作る 納豆液と混ぜて密閉, 嫌気発酵

2021年10月16日土曜日

種まき 設備・資材 土壌

 昨年作った米ぬかボカシ肥糧の作り置きを使い切ったので新しく作ります。使い切る前に新しく作っておくのが良い方策です。


ボカシ肥糧

あればとても便利、万能な米ぬかボカシ肥糧です。元肥として、さらに追肥にも使っています。

ボカシ肥糧は、米ぬか、油粕などの有機質肥料が有用微生物によって一度分解されて発酵している肥料です。

未発酵の有機質資材は効き始めるまでに時間が掛かり、分解する時に土の中の窒素を使ってしまうので野菜の生育が遅くなったり病害虫がやってきて未分解資材に取り付いてしまうことが有ります。


一方、ボカシ肥糧は有機資材が発酵・分解されている為、野菜が速く栄養分を吸収することが出来て生育には即効性の効果があります。化成肥料よりも長く効きつづけて、味の良い美味しい野菜作りに効果を発揮してくれます。 


広い畑に移る前の庭の狭いエリア(そこは畑と言えない位狭かった)で夏野菜を作っていたころから作っていますが、野菜の味が甘く美味しくなるように感じます。

今年は残りのボカシ肥糧が底をつく前の9月に作ればよかったのですが秋冬野菜の種まきが忙しくて作れませんでした。やっと時間が取れたのでボカシ肥糧を作ります。

 

ボカシ肥糧には納豆液を薄めて使います。 納豆液の作り方はこちらとても簡単に作れます。


ボカシ肥料用の材料を揃えます

有機資材は1つの材料当たり10㎏を基準にして考えやすくして作りました。
各資材を一遍に10㎏づつ入れると混和するには広い場所が必要になり、さらに量が大量になり操作が大変なので、3回に分けて作りました。畳1枚~2枚の広さで作業出来ます。
したがって下記の資材一覧の量の3分の1づつを写真の様に混和用の舟と言われる樹脂製の容器で混ぜて作り、これを3回繰り返します。





資材の一覧表と量(総量)  各資材を3つに分けて3回作ると作業性が良い

    • 納豆液             150~200cc
    • 米ぬか             10㎏
    • 菜種油粕          10㎏
    • 魚粉末             10㎏
    • バットグアノ   10㎏
    • 草木灰       3㎏
    • 牡蠣殻石灰     10㎏
    • 発酵鶏糞      5㎏
    • もみ殻燻炭         3㎏
    • 納豆液    200倍希釈
    • 水                  30L 位
    • 黒砂糖    100g程度(なくても良い、納豆液に既に入っています)

米ぬかは無人精米所で無料で入手しました。
油粕、魚粉末、牡蠣殻石灰等の資材は10㎏ですが、販売されている資材は大きな20㎏袋に入っていました。
もみ殻燻炭は手持ちが少なかったので3㎏になってしまいましたが微量要素が含まれるので多めに入れるのが良いでしょう。
発酵鶏糞は今回初めて入れるので5㎏にしてみました。
納豆液は原液を薄めて使います。200倍に希釈した水をジョウロまたはバケツで資材に撒いて使用します。ジョウロの場合は蓮口の穴が詰まるので外して使用します。
水の量は、ボカシ肥糧を水分約60%で仕上げるので30L程度必要です(3回に分けて作るので1回分10L程度)。これに納豆液を200倍に希釈して使用するので、納豆液は150~200cc程度を使用します。

注意

一覧表をみると分かる通り資材の合計重量は90㎏を超えます。容器に入れて保管すると重くて移動できませんので保管場所を決めておいてから製作するのが良いでしょう。


ボカシ肥糧作り

さあ、材料も揃ったので、米ぬかボカシ肥糧を作りましょう。


1) 計量

各資材は約3.3kgづつを計ります。100円の4Lバケツがちょうど3㎏位入るので慣れると簡単に作業が進みます。
軽量する資材は種類が多いので、メモを採りながらカウントしていくと間違いが減ります。



2) 計量した資材を舟に入れます

黒いのは、もみ殻燻炭です、軽いので量が多く見えます。
他の資材は3㎏計量してみると大体同じ量になります。油粕と魚粉は色合いがよく似ているので間違わない様にします。
魚粉には、魚の骨も入っているので、手で触る時には骨が刺さらない様に注意が必要です。 


3) 材料を先ず混和する

水を加える前、資材が乾いている状態でよく混和します。
舟の隅の資材は混ざり難いので隅々の資材まで良く混ぜて、肥料になった時の成分のバラツキを減らし均一になるように気を付けましょう。 隅の資材はシャベルでは混ざり難いので手を入れて混ぜると良いでしょう。

混和して良く混ざると、もみ殻燻炭の黒い粒が資材のどこを見ても均一に散らばる様になるので目安になるでしょう。


4) 納豆液を希釈

・ 納豆液をお椀などに入れて約50㏄用意します。

・ お椀で先に希釈 
いきなり10Lの水に入れても沈殿してしまい希釈するのが大変です。お椀で先に希釈してからジョウロなどに入れて10Lに希釈します。


・ 黒砂糖を入れます
黒砂糖を微生物の栄養として入れます。既に納豆液に入っているのでなくても良いです。
黒砂糖を入れたらよく攪拌します。 


・ 10Lの水に希釈
ジョウロに納豆液を入れます。水は後から加えます。
水は一遍に全量を入れずに、5,6回に分けて徐々に加えて納豆液を攪拌して溶かしながら入れていきます。
ジョウロの蓮口を外して使用します。特に黒砂糖には材料の塊が残っているので蓮口が詰まってしまいます。
バケツで希釈するのは作業は簡単ですが、舟の資材に撒くときにはジョウロの方が撒く量を加減しやすいです。


5) 資材と納豆液を混和

よく混ぜた資材に納豆液の希釈液を加えます。
約10Lの希釈液の6割位を舟の資材の全体に万遍なく撒きます。
写真は、ジョウロの蓮口を外して希釈液を撒いています。


・ 資材と納豆液を混ぜる
シャベルで先ず混和しても良いですが、混和作業を進めていくとシャベルでは隅々まで上手く混ざらない事に気が付きます。
下層の隅に滞留して乾いている資材を上側に移動したりしながら、よく揉んで湿り気が均一になるようにします。 この納豆液回しが上手く出来ていれば仕上がりも上手く行きます。

納豆液が撒かれた資材は、納豆液の水分で一時的に固まりとなってます。それらは最終的には手で揉む様にして混ぜると水分が均一な良い肥糧になります。
       


・ 納豆液の追加
納豆液の残りの量は、資材の混和を行いながら数回に分けて加えていきます。
次項(6)の水分60%の硬さになる様に納豆液の量を調節しながら、少しづつ加えて混和していきます。

6) 水分60%

・ 握って固まる
水分を60%位に仕上げると、ボカシ肥糧の良いものが出来ます。
60%の目安は、写真の様に資材を握ると固まって団子状の塊が出来ます。

・指で突くと崩れる
握った資材を親指で軽く突つくと写真の様に塊がくずれます。触った感じはベトベトしないように仕上げます。 
ベトベトになる時は水分が多い状態です。 水分が多すぎると、出来上がったボカシ肥糧が固まってしまったり、腐ってしまうことが有ります。


ボカシ肥糧を保管

納豆液と混和が完了した資材は、密閉できる容器に入れて日蔭で保管し、嫌気発酵させます。
ビニル袋に入れて保管する場合には移動と保管中に破けない様に注意が必要です。
今回は200L 位入る樹脂製の樽に入れて日蔭で保管します。樽はホームセンターで1,000円程度で購入する事が出来ます。

常温で嫌気発酵させます

嫌気発酵は仕上がるまで途中で資材の切り返し、混和作業は不要です。
完成までは、秋は1~2ヶ月程度、夏場は2~3週間程度で仕上がります。蓋を開けた時にチーズやヨーグルトの様な甘酸っぱい香りがしていれば成功です。 白いカビが付いていることが有りますがこれはそのまま使用して問題ありません。

保存するには、一度乾燥させると微生物の活動が低下し発酵が止まり、畑に撒いた時に再度微生物が活動を開始します。
半年程度で使い切るので、私はこの樽に入れたまま使用しています。


密閉できる蓋つき容器が楽に作業が出来ます。写真は内蓋を締めた状態です。 更にこの上に外蓋を掛けて蓋をします。


これで、作業は終了です。暫く庇の下の日陰に保管してから使用開始します。
樹脂製の樽は、ボカシ肥料の匂いも遮断してくれるので鳥たちも気が付きません。もちろんモグラなども樽には近寄りません。

畑に蒔く時は、元肥で1平米にたっぷり2握り位を撒いて、苦土石灰などと併用で使用しています。

作ったボカシ肥料はどんな成分比率かを知る

昨年から、資材の含有率を計算しています。
大雑把ですが、各資材の成分含有量を拾い出してエクセルに入力してN,P,K含有率を把握するのに使っています。
成分含有率が大雑把ですが分かっていれば、野菜によって不足成分などがある場合には一緒に不足している資材を撒いて元肥などで調整しやすくなります。

エクセルに成分含有量をまとめる

下の表の、上段はネットなどの資料から数個づつの含有成分量を拾い出して、各資材の含有成分毎の平均値をパーセントで入力しました。

下段の表で計算します。
1行ごとに資材の投入量を重さで設定(左から3列目)し、上段の含有%値から各栄養成分(N,P,K等)ごとの含有量の重さを計算しています。 
資材ごとの投入量は、エクセルのフォームコントロールのスピンボタンを設定して、投入量の増減をマウスクリックで簡単に調節できるようにしました。

最下段の枠で総含有量を求めます
窒素、リン酸、カリウムなどの含有成分ごとに、各資材の含有量の合計を求めて最下段の枠に成分ごとの総含有重量を計算します(黄色い枠)。 
総含有量に対する、各栄養成分ごとの含有量を求めてボカシ肥料の成分比率を把握する為に使います。

※ フォームコントロールは、通常はエクセルに表示されていません。エクセルの”開発タブ”を有効にする必要があります。リボンのユーザー設定などで選択し有効にします。

エクセルに入力した成分概略計算表

各資材の成分含有率は保証値ではありません。
資材の一般的な含有量の平均値を使用しています。
N,P,K等の含有率はそれらをベースに計算していますので、概略の目安値になります。


今回のボカシ成分 (概算)

今回のボカシ肥料は概ね、N,P,K=8,12,3 になることがわかりました。リン酸値が高めですが、バットグアノの量を他の資材と同じ10㎏を入れたことが影響しているようです。野菜にとっては実付きがよくなるでしょう。

N-P-K値を均すには油粕をもっと多く入れて、バットグアノを少なくするとN-P-K値を均すことができる事が分かります。
草木灰は、手元の在庫量が少なかった為3kgで、K含有率も低い値でした。大量に投入するとアルカリ性に傾いてしまうのでボカシ肥料を使用するときに、適宜追加で撒いた方が良いかもしれません。

納豆液を使った、米ぬかボカシ肥料を作って、その成分割合の概略値を把握してみました。
化成肥料を使わずにボカシ肥料で作った野菜は甘味やうま味が得られと感じています。葉物は生で齧ると甘味がありおいしいです。












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